葬儀における宗派別の数珠の持ち方とは?マナーや扱い方も解説
葬儀における数珠の扱いで最も重要な結論は、「数珠は持ち主の分身(お守り)であり、貸し借りは厳禁。常に左手で保持する」ということです。
この記事では、数珠の深い意味から宗派別の具体的な持ち方、そして男女別の選び方まで、知っておくべき情報を論理的に詳しく解説します。
数珠の意味とは
数珠(じゅず)は、通夜、葬儀、告別式などの焼香の際に使用される仏具で、複数の小さな珠(たま)に糸を通して輪状にしたものです。
「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、もともとはお経や念仏を唱える際に珠を動かして回数を数えるための道具として用いられていました。
仏様への信仰心の象徴とされている数珠は、仏様の世界とこの世の人々をつなぐ不思議な力を持つものと考えられています。
仏教式の葬儀や法要では、故人への敬意や哀悼を表すために数珠を持つことがマナーとなっており、持っているだけで仏様のご加護があり、厄除けのお守りになるとされています。
正式には108個の珠(煩悩の数)が使われますが、現代では持ち運びやすいよう珠の数を減らしたものが普及しています。
材料には菩提樹の実や水晶、真珠、珊瑚などが使われ、現在では約70種類ものバリエーションがあるとされています。
特別な意味を持つ大きな数珠も存在し、地方によっては「大数珠回し」という儀礼が行われています。これは、大きな数珠を人々が車座になって一つずつ回しながら念仏を唱える儀式です。
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数珠の種類について
数珠には大きく分けて2つの種類があります。
- 略式数珠:宗教・宗派を問わずに使えるタイプです。輪が一連になっており、現在最も一般的に使われています。
- 本式数珠:各宗派によって正式なものとして定められた数珠です。108個の珠からなり、略式数珠よりも長く、二重にして使うこともあります。
略式数珠の持ち方
略式数珠の場合は、合掌の際に左手のみに数珠の輪を通す使い方と、両手に輪をかけて通す使い方があります。どちらの場合も、数珠の房が下へ垂れるように持ちます。
- 葬儀中は常に左手で数珠を持ちます。
- 移動時も左手で持ち、房を下にします。
- 焼香時にカバン等から取り出すのはマナー違反です。
仏教では左手が仏様の世界を繋ぐ手と言われているため、常に左手首に掛けて持つようにします。
左手のみの場合(略式数珠)
左手の親指と人差し指の間に輪を掛けて合掌します(親指以外の4指が輪の中に通るようにする)。
両手の場合(略式数珠)
両手の親指と人差し指の間に掛けて合掌します(8本の指を輪の中に通し、親指2本だけを輪の外に出す)。
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宗派ごとの本式数珠の持ち方
本式数珠は宗派によって持ち方が大きく異なります。
| 宗派 | 本式数珠の持ち方・合掌の作法 |
|---|---|
| 浄土宗 | 二重にした数珠を親指のみに掛けて房を手前に垂らす、または4本の指から甲へ掛けて房を両手の甲の真下に垂らします。 |
| 真宗大谷派 | 二重にした数珠を4本の指から甲へ掛け、親指と人差し指の間で挟みます。房は左手側に垂らすのが特徴です。 |
| 浄土真宗本願寺派 | 二重にした数珠を合掌した両手の4本の指から甲へ掛け、房は合わせた両手の甲の真下へ垂らします。 |
| 日蓮宗 | 輪を8の字にねじって中指に掛けます。房が右手に2本、左手に3本来るようにして合掌します。 |
| 曹洞宗・臨済宗 | 二重にした数珠を左手の親指と人差し指の間に掛け、右手を合わせて合掌します。房は左手側に垂らします。 |
| 真言宗 | 数珠をねじらず両方の中指に掛け、そのまま合掌します。房は左右それぞれの甲に自然に垂らします。 |
| 天台宗 | 人差し指と中指の間に掛けて合掌します。または親玉を上にして二重に巻き、左手に掛けてから合掌する作法もあります。 |
お通夜では数珠はいつから持つの?
お通夜に参列するときは、焼香のタイミングで慌てて取り出すのではなく、「最初から取り出しておく」のが正解です。
終わりまで数珠を手に持っておき、房を下にした状態で左手に持つか、左手首に通しておきましょう。
数珠に関する絶対の注意点
数珠の貸し借りはしない
数珠は「持ち主の念」が込められた分身であり、厄除けのお守りでもあります。そのため、家族や友人間であっても他人と共有することはマナー違反です。
貸し借りがタブーとされる理由は、数珠が「仏と持ち主をつなぐ」ものであり、安易な共有が適切ではないとされているからです。忘れた場合は無理に借りず、数珠なしで参列するか、近くのコンビニや100円ショップで購入することをお勧めします。
数珠は常に持ち歩く(床や椅子に置かない)
数珠を小さな仏様と捉え、足元である床やお尻を置く場所である椅子に置くのは不適切です。席を立つ際も常に手に持つか、バッグやポケットに収めて身につけておきましょう。
葬儀用のものを使う
ファッション性の高いブレスレット風のパワーストーンなどは葬儀の場にはふさわしくありません。仏式の正式な数珠を用意しましょう。
男性用と女性用の数珠の違い
数珠には明確に男性用・女性用の区別があり、男女間で共有することはありません。
- 男性用:22玉(標準)、20玉、18玉。珠のサイズは10~18ミリと大きく、黒檀(こくたん)や瑪瑙(めのう)など落ち着いた色味が人気です。
- 女性用:22玉、20玉、18玉(珠のサイズは6~8ミリ)。7ミリが標準サイズとされます。紅水晶や珊瑚、アメジストなど明るく上品な色が好まれます。
数珠の貸し借りは絶対に避けるべきマナー違反です。数珠は「念珠」とも呼ばれ、持ち主の念がこもった「分身」であり、厄除けのお守りとしての役割も持っています。忘れてしまった場合は、無理に借りるのではなく、数珠を持たずに参列するか、会場近くのコンビニや葬儀社の売店で購入するようにしましょう。
いいえ、数珠は式の最初から取り出しておくのが正しいマナーです。焼香の際に慌ててカバンやポケットから取り出す姿は、周囲への配慮に欠けると映る場合があります。受付を済ませて会場に入る前に準備し、式の間は常に左手で持つか、左手首に通しておくように心がけましょう。
特定の宗派にこだわらず、どのような葬儀でも使用できる「略式数珠」を選ぶことをお勧めします。本式数珠は宗派ごとに形状が厳格に定められていますが、略式数珠であれば一つ持っておくだけですべての宗派に対応可能です。購入の際は、珠のサイズが異なるため、男性用か女性用かを確認して選ぶようにしてください。
数珠は小さな仏様や法具として尊ばれるものです。足元である床や、お尻を置く場所である椅子の上に直接置くことは、大変失礼な行為とされています。離席などで一時的に手放す必要がある場合は、必ず数珠袋に入れるか、カバンの上の綺麗な場所に置くなど、大切に扱うようにしましょう。
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まとめ
数珠は葬儀には欠かせない仏具のひとつです。普段使い慣れていないからこそ、いざという時にマナー違反をしてしまわないよう、基本的な持ち方や「貸し借り厳禁」といったルールを理解しておくことが大切です。
正しい作法で故人様を偲び、誠実なお見送りを心がけましょう。
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