宮坂
宮坂
数珠は葬儀には欠かせない仏具の一つですが、普段から使い慣れていないため、扱い方やマナーについて戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

通夜や葬儀・告別式の場で慌ててしまいがちな数珠(念珠)の扱いですが、最も重要となる結論を先に申し上げますと、「数珠は持ち主の分身(厄除けのお守り)であり、家族間であっても貸し借りは絶対にNG。式の間は常に左手で保持する」というのが鉄則です。

数珠は単なる儀礼的な道具ではなく、仏様の世界と私たちを繋ぐ大切な法具です。正しい持ち方や宗派ごとの作法を事前に論理的に理解しておくことで、大切な方のご冥福を祈る合掌の時間を、より深く誠実なものにすることができます。

この記事では、数珠が持つ本来の深い意味から、失敗しない略式・本式の具体的な持ち方、男女別の選び方の基準まで、知っておくべき必須知識を3つの要点に圧縮して分かりやすく解説します。

【この記事でわかること】

  • 【数珠の意味と種類】なぜ葬儀に数珠が必要なのか、その由来と「略式数珠」と「本式数珠」の明確な違い
  • 【持ち方と宗派別作法】基本となる略式数珠の持ち方から、全7宗派における本式数珠の掛け方・合掌の作法一覧
  • 【絶対に守るべき注意点】親族間トラブルや恥をかかないための「貸し借り厳禁」の理由と男女別の正しい選び方

葬儀における数珠の基本:本来の意味と知るべき2つの種類

数珠(じゅず)は、通夜や葬儀、告別式といった仏式の儀礼において、焼香や合掌の際に必ず手にする最も身近な仏具です。

しかし、普段から使い慣れていないため、「なぜ必要なのか」「どのような種類があるのか」を正確に把握できている方は多くありません。

数珠は単なる儀礼的な道具ではなく、仏様の世界と私たちを繋ぐ法具であり、同時に「持ち主の分身(厄除けのお守り)」としての深い意味を持っています。

そのため、お葬式の場では一人ひとりが自身の数珠を正しく持つことが重要なマナーとなります。まずは、数珠の本来の役割と、知っておくべき2つの大きな種類をまとめた一覧表をご確認ください。

確認する項目 具体的な内容と持つ意味 知っておくべき特徴
数珠(念珠)の意味 仏様への信仰心の象徴であり、故人様への敬意と哀悼を表す仏具。持っているだけで厄除けのお守りになります。 「持ち主の分身」のため貸し借りは厳禁です。
種類①:略式数珠 宗教や宗派を問わずに、どなたでもどのような葬儀でも使える一連(ひとわ)タイプの数珠。現代で最も普及しています。 一つ持っておくだけですべての宗派に対応可能です。
種類②:本式数珠 それぞれの宗派ごとに形状や珠の数が厳格に定められた正式な数珠。主珠は108個あり、二重にして用いることが多い。 ご自身の家の宗派の形式に合わせる必要があります。

仏具としての数珠(念珠)が持つ役割と厄除けの意味

数珠

お葬式でなぜ数珠を持つ必要があるのか、その論理的な由来と深い役割について誠実に解説します。

数珠は「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、もともとはお経や念仏を唱える際に、その回数を数えるための道具として用いられてきました。

仏教において仏様への信仰心の象徴とされている数珠は、仏様の世界とこの世の人々を繋ぐ不思議な力を持つ法具と考えられています。

仏教式の葬儀や法要の場において、数珠を手にして合掌することは、故人様への深い敬意や哀悼の意を表すための欠かせないマナーです。

また、数珠は単なる道具ではなく「持ち主のお守り」でもあります。持っているだけで仏様のご加護を授かり、災いから身を守る厄除け(お守り)になるとされているため、大人の嗜みとして一人一人が自身のものを用意しておく必要があります。

正式な数珠には、人間の煩悩の数と同じ「108個」の主珠が使われますが、現代では持ち運びがしやすいように珠の数を減らした略式タイプが広く普及しています。

材料には菩提樹の実、水晶、真珠、珊瑚などが使われており、現代では約70種類もの豊かなバリエーションが存在します。

地域や地方によっては、大きな数珠を人々が車座になって順に回しながら念仏を唱える「大数珠回し」という特別な儀礼が伝統として残っている場合もあります。

宗教・宗派を問わずに使える「略式数珠」と各宗派の「本式数珠」

数珠を選ぶにあたって、まず知っておくべき「略式(片手)数珠」と「本式(振分け)数珠」の2つの違いについて詳しく解説します。

すべての宗派で共通して使える「略式数珠」

略式数珠は、輪が一重(一連)になっており、宗教や宗派に関係なくどのような仏式の葬儀・法要でも使用できる最も一般的な数珠です。

現代の参列者が手にしている数珠の大半はこの略式数珠であり、「自分の宗派がはっきりと分からない」「急な参列でどのお葬式でも失礼のないものを用意したい」という場合は、この略式数珠を選んでおけば間違いありません。

宗派ごとに形式が定められた正式な「本式数珠」

本式数珠は、それぞれの宗派によって正式な形として定められた珠の構造を持っています。

基本的には人間の煩悩と同じ108個の主珠で構成されており、輪が長く、二重にして使用するのが特徴です。

宗派ごとに房の形や結び方、数珠の掛け方が厳格に決まっているため、ご自身の家の宗派(菩提寺)と同じ形式のものを揃える必要があります。

【数珠の基本を理解し、いざという時に慌てないための今すぐできる行動提案】
突然の訃報に接した際、正しい数珠を手にして誠実にお見送りできるよう、以下の3つの行動を実践してください。

  • 1. 自宅にある数珠を一度確認し、一重の「略式数珠」か二重の「本式数珠」かを見ておく:ご自身が持っている数珠のタイプを把握しておくだけで、葬儀当日の持ち方やマナーの確認がスムーズになります。
  • 2. 自身の宗派がわからない場合やマイ数珠をお持ちでない方は、まず「略式数珠」を1つ用意する:略式数珠はすべての宗派に対応できるため、大人のマナーとして1つ手元に備えておくだけで、突然のお通夜でも焦ることがなくなります。
  • 3. どのような種類や色があるのか、まずは手軽な専門店の資料やWEBサイトを閲覧してみる:黒檀や瑪瑙、水晶など、数珠には様々な美しい材質があります。事前に対象の情報を冷静に比較しておくことで、納得のいくお守り(マイ数珠)を見つけることができます。

【基本マナー】略式数珠の正しい持ち方と合掌の作法

現在、お葬式や法要の場で最も広く一般的に使われているのが、一重の輪で構成された「略式数珠」です。持ち運びやすく扱いやすい仏具ですが、合掌する際の手の掛け方や、式中の正しい保持の仕方には守るべき厳格なマナーが存在します。

略式数珠を扱う際は、合掌の形式(左手のみ、または両手)に関わらず、常に「数珠の房が真下へ垂れるように持つ」こと、そして「葬儀中は常に左手側で保持する」ことが最も重要な基本作法です。

仏教において左手は「仏様の世界と繋がる清浄な手」とされているため、数珠を右手に持ったり、右側の手首に掛けたりすることはマナー違反となります。

まずは、略式数珠の持ち方の基本ルールをまとめた一覧表をご確認ください。

合掌の形式 具体的な手の掛け方・手順 房の向きと注意点
① 左手のみに掛ける 左手の親指と人差し指の間に数珠の輪を掛け、そのまま右手を合わせて合掌します。親指以外の4本の指が輪の中に通る状態です。 房が真下へまっすぐ垂れるように持ちます。
② 両手に通す 合わせた両手の親指と人差し指の間に数珠の輪を大きく掛けます。親指2本だけが輪の外側に出る状態です。 房が手のひらの下側に自然に垂れるようにします。

① 左手のみに輪を掛けて合掌する手順

最も一般的で広く行われている、左手のみに略式数珠を掛けて合掌する作法について詳しく解説します。

焼香の席に進み、仏様や故人様に向かって合掌をする際、まずは左手の親指と人差し指の間に数珠の輪をすっと掛けます。

このとき、人差し指・中指・薬指・小指の4本の指が数珠の輪の中に綺麗に収まっていることを確認してください。

数珠を掛けた左手に対して、右手をそのまま合わせて手のひらをぴったりと密着させ、胸の前で合掌します。

このときも数珠の房がねじれたり上を向いたりせず、床に向かって美しく真下に垂れるように意識することが、見た目にも丁寧で誠実な印象を与える大切なポイントです。

② 両手の指に輪を通して合掌する手順

略式数珠の持ち方

地域や家庭の習慣によっては、両手すべてに数珠の輪を渡して合掌する作法をとる場合もあります。

この場合は、まず胸の前で両手のひらをしっかりと合わせ(合掌の形を作り)、その合わせた両手の親指と人差し指の間の隙間に、数珠の輪を上からふわりと掛けます。

結果として、親指以外の左右合わせて8本の指が数珠の輪の中に通ることになり、左右の親指2本だけが輪の外側に残る形になります。

この作法であっても、数珠の結び目や房は合掌した手のひらの下側に位置し、自然に真下を向くように保持します。

どちらの掛け方が正しいということはなく、ご自身の地域の慣習やその場の周囲の作法に合わせる形で問題ありません。

移動時や待機時における略式数珠の保持マナー

焼香や合掌の瞬間だけでなく、式全体の流れの中で数珠をどのように持っておくべきか、論理的なルールを誠実に解説します。

お通夜や葬儀・告別式の最中は、着席して待機している時間や、席を立って移動する際も含め、「数珠は常に左手で持っておく」のが鉄則です。

歩くときは、左手の親指と人差し指の間に輪を掛けて房を下に垂らすか、左の手首に輪を通した状態にして、数珠が揺れ動かないよう静かに保持します。

よくある誤った所作として、焼香の順番が回ってきた瞬間に、慌ててカバンやポケットから数珠を引っ張り出す光景が見られますが、これはスマートではなくマナー違反と捉えられる場合があります。

数珠は「最初から取り出しておく」のが正解ですので、受付を済ませて斎場内に入った段階でカバンから出し、常に左手に持っておくことを徹底してください。

【全7宗派網羅】本式数珠の持ち方・合掌の作法一覧表

各宗派ごとに正式なものとして形状が定められている「本式数珠」は、それぞれの宗教的意味合いに基づき、掛け方や合掌時の作法に厳格な決まりがあります。

本式数珠を用いる際は、ご自身の宗派(または参列する葬儀の宗派)の作法に合わせ、房を垂らす位置や指への掛け方を正確に守ることが誠実なお見送りのマナーです。

まずは、主要な7宗派における本式数珠の持ち方と合掌の作法をまとめた一覧表をご確認ください。

宗派 本式数珠の持ち方・合掌の作法
浄土宗 二重にした数珠を親指のみに掛けて房を手前に垂らす、または4本の指から甲へ掛けて房を両手の甲の真下に垂らします。
真宗大谷派 二重にした数珠を4本の指から甲へ掛け、親指と人差し指の間で挟みます。房は左手側に垂らすのが特徴です。
浄土真宗本願寺派 二重にした数珠を合掌した両手の4本の指から甲へ掛け、房は合わせた両手の甲の真下へ垂らします。
日蓮宗 輪を8の字にねじって中指に掛けます。房が右手に2本、左手に3本来るようにして合掌します。
曹洞宗・臨済宗 二重にした数珠を左手の親指と人差し指の間に掛け、右手を合わせて合掌します。房は左手側に垂らします。
真言宗 数珠をねじらず両方の中指に掛け、そのまま合掌します。房は左右それぞれの甲に自然に垂らします。
天台宗 人差し指と中指の間に掛けて合掌します。または親玉を上にして二重に巻き、左手に掛けてから合掌する作法もあります。

宗派ごとに異なる数珠の掛け方と房を垂らす位置の基準

それぞれの宗派における細かな所作と、その論理的な背景について分かりやすく解説します。

浄土宗・浄土真宗における特徴

浄土宗の本式数珠は、2つの輪を交差させた独特の構造をしており、合掌の際は親指だけに掛けて房を手前に垂らすのが基本です。

一方、浄土真宗(本願寺派・大谷派)では、数珠を使って念仏の回数を数えないという教えがあるため、長い数珠を二重にして両手の甲へそのまま掛ける形をとります。

このとき、本願寺派は房を両手の甲の真下に垂らし、大谷派は左手側に垂らすという明確な違いがあります。

日蓮宗・真言宗における特徴

日蓮宗は本式数珠の扱いが最も特徴的で、108個の長い輪を一度「8の字」にねじり、右手の中指と左手の中指にそれぞれ掛けます。

房の数が左右で異なる(右2本・左3本)ため、掛ける向きを間違えないように注意が必要です。

真言宗(お大師様の宗派)では、長い数珠をねじらずに両手の中指にそのまま掛け、手のひらをすり合わせるようにして合掌する作法が一般的です。

禅宗(曹洞宗・臨済宗)および天台宗における特徴

曹洞宗や臨済宗といった禅宗では、まず左手の親指と人差し指の間に二重にした数珠を掛け、房を左側に垂らした状態で右手を合わせて合掌します。

天台宗では、平玉と呼ばれるそろばんの珠のような平べったい珠が使われることが多く、これを両手の人差し指と中指の間に挟み込んで合掌する独特の作法をとります。

お通夜・葬儀への参列で絶対に守るべき数珠の4つの注意点

数珠は通夜や葬儀の席に欠かせない仏具ですが、普段使い慣れていないからこそ、悪気のない行動が重大なマナー違反に繋がってしまうことがあります。

特に親族や周囲の目が集まる厳粛な場では、正しい扱い方を知っておくことが参列者としての最低限の嗜みです。

数珠を扱う上で最も意識すべき基準は「数珠は単なる衣装の一部ではなく、仏様と自分を繋ぐ神聖な法具であり、自身の分身である」という点です。

この本質を理解していれば、式場で不適切な振る舞いをして恥をかくリスクを完全に無くすことができます。

まずは、お葬式の現場で大人の参列者が絶対に守るべき4つの注意点と対策をまとめた一覧表をご確認ください。

厳守すべき注意点 具体的な状況とマナー違反になる理由 失敗しないための対策
1. 貸し借りは絶対にしない 数珠は持ち主の念がこもった分身であり、厄除けのお守りです。家族間であっても共有や貸し借りはタブーとされています。 忘れた場合は無理に借りず、購入するか数珠なしで参列します。
2. 最初から手元に出しておく 焼香のタイミングになってから慌ててカバンやポケットから取り出すのは、周囲への配慮に欠ける所作と映ります。 受付を済ませて式場に入る段階で取り出しておきます。
3. 椅子や床に直接置かない 数珠を小さな仏様と捉えるため、足元である床や、お尻を乗せる椅子の上に置くのは大変失礼な行為です。 離席する際はカバンに収めるか、数珠袋に入れます。
4. 男女用の区別を守る 数珠には男性用・女性用で玉の大きさに明確な違いがあります。これらを混同して使用することはありません。 購入時にサイズを確認し、自身の性別に合うものを選びます。

① 数珠の貸し借りは厳禁!忘れた場合の適切な対処法

親しい家族や友人が数珠を忘れてしまった際、「使っていないから貸してあげる」と手渡してしまうケースがよく見られますが、これは仏教の観点から明確なマナー違反です。

数珠は「念珠」という別名の通り、持ち主の念が込められた分身であり、個人の災いから身を護る厄除けのお守りという性格を持っています。

そのため、他人に安易に貸したり借りたりすべきではないとされています。万が一、当日に数珠を家に忘れてきてしまった場合は、他人のものを借りて取り繕うのではなく、数珠を持たないまま実を込めて合掌する方が誠実な姿勢です。

あるいは、式場の近くにあるコンビニや葬儀社の売店等でも略式数珠は販売されているため、急ぎで購入して「マイ数珠」として参列することをお勧めします。

② 会場に入る「最初から」数珠を手元に取り出しておく

お通夜や葬儀に参列する際、席についている間は数珠をカバンの中に仕舞い込んでおき、自分の焼香の順番が回ってきた瞬間に慌てて取り出そうとする方がいます。

正しいマナーとしては、式が始まる前の段階、つまり受付を済ませて斎場の式場内に入るタイミングで、あらかじめ数珠をカバンから手元に出しておくのが正解です。

式が執り行われている間は、房を下に向けた状態で常に左手で持っておくか、左の手首に掛けた状態で着席しておきます。

最初から法具を身にまとって静かに開式を待つ姿こそが、遺族や故人様に対する敬意の表現となります。

③ 数珠を床や椅子に直接置かない(小さな仏様としての扱い)

通夜の休憩時や、お手洗いに立つ際など、手荷物を整理する目的で数珠を椅子の上や足元の床に一時的にポイと置いてしまう場面を見かけることがあります。

仏教において数珠は「小さな仏様」と同等に尊ばれる神聖な法具です。お尻を乗せる場所である椅子の座面や、土足で踏み歩く床の上に直接置くことは、仏様を蔑ろにする大変失礼な行為にあたります。

少しの間であっても席を離れる場合は、必ず数珠を「数珠袋」と呼ばれる専用のケースに収めてカバンに入れるか、上着のポケットにしっかりと仕舞い、肌身離さず持ち歩くように徹底してください。

また、ブレスレット風のパワーストーンやファッション性の高いアクセサリーを数珠の代わりに葬儀の場へ持ち込むことも、お悔やみの席には不適切であるため避けるべきです。

④ サイズや色味が異なる「男性用」と「女性用」の明確な区別

数珠には、男性が持つべきものと女性が持つべきもので、外見や規格に明確な区別が設けられています。

【男性用数珠の特徴】
一般的に「大きな玉」で構成されているのが特徴です。主珠のサイズが10ミリから18ミリ前後と大ぶりで、22玉(標準サイズ)や20玉、18玉といった種類があります。材質には黒檀(こくたん)や紫檀(したん)などの渋みのある木材や、瑪瑙(めのう)、青虎目石といった落ち着いた色味の天然石が好まれます。

【女性用数珠の特徴】
男性用に比べて「小さな玉」で作られています。主珠のサイズは6ミリから8ミリ前後(7ミリが最も標準的)と小ぶりで、繊細な印象を与えます。材質には本水晶や紅水晶(ローズクォーツ)、珊瑚、アメジストなど、明るく上品で透明感のある色彩のものが広く選ばれています。

このように男女間で共有することは想定されていないため、夫婦や親子であっても使い回しはせず、それぞれの性別に合った専用の数珠を用意することが必要です。

葬儀での数珠の扱いに関するよくある質問(FAQ)

数珠を忘れてしまった場合、家族や友人から借りても良いでしょうか?

数珠の貸し借りは避けるべきマナー違反です。数珠は「念珠」とも呼ばれ、持ち主の念がこもった「分身」であり、個人の災いから身を護る厄除けのお守りとしての役割を持っています。忘れてしまった場合は、無理に誰かから借りてその場を繕うのではなく、数珠を持たずに実を込めて合掌する方が誠実な姿勢です。あるいは、会場近くのコンビニや葬儀社の売店で購入し、ご自身の「マイ数珠」を用意して参列するようにしましょう。

焼香のタイミングでカバンから取り出せば問題ありませんか?

いいえ、数珠は式の最初から手元に取り出しておくのが正しいマナーです。焼香の順番が回ってきた瞬間に慌ててカバンやポケットから取り出す姿は、周囲への配慮に欠けると映る場合があります。受付を済ませて会場の式場内に入る段階であらかじめ準備しておき、式の間は常に左手で持つか、左手首に通しておくように心がけましょう。

自分の宗派がわかりません。どの数珠を購入すべきですか?

特定の宗派にこだわらず、どのような葬儀でも使用できる「略式数珠」を選ぶことをお勧めします。本式数珠は宗派ごとに形状や珠の数が厳格に定められていますが、略式数珠(片手数珠)であれば一連のシンプルな輪になっており、一つ持っておくだけですべての宗派に対応可能です。購入の際は、珠のサイズが異なるため、男性用か女性用かを確認して選ぶようにしてください。

数珠を一時的に置きたい時、椅子や床に置いても大丈夫ですか?

数珠は小さな仏様や神聖な法具として尊ばれるものです。足元である床や、お尻を置く場所である椅子の座面の上に直接置くことは、大変失礼な行為とされています。離席などで一時的に手放す必要がある場合は、必ず数珠袋(専用ケース)に入れるか、カバンの上の綺麗な場所に置くなど、大切に扱うようにしましょう。

数珠の準備とあわせて確認すべき「葬儀社選び」の重要ポイント

数珠のマナーを理解し、お見送りの準備を整えることは非常に大切です。しかし、葬儀において最も重要なのは「いざという時に、故人様を心から安心して預けられる葬儀社」を選んでおくことです。明確な料金体系や、資料請求で詳細を確認できる優良な葬儀社を知っておくことで、突然の際にも慌てずに対応が可能となります。失敗しない葬儀社選びの具体的な手順や、資料請求のメリットを詳しく知りたい方は、以下の解説記事をあわせてご覧ください。

家族葬のこれから|資料請求の手順や料金プランの魅力を徹底解説!はこちら

まとめ:正しい作法とマイ数珠の用意が誠実なお見送りの第一歩

数珠は通夜や葬儀の席において、故人様への哀悼の意を表し、仏様と心を通わせるために欠かせない大切な仏具です。

普段使い慣れていないからこそ、基本的な持ち方やルールを正しく理解しておくことが大人の参列者としての最低限の嗜みとなります。

今回の重要なポイントを3つにまとめました。

  • 1. 数珠は「貸し借り厳禁」のお守り:数珠は持ち主の念がこもった分身であり、厄除けの役割を持っています。家族間であっても使い回しはせず、一人ひとりが専用の数珠を持つことが鉄則です。
  • 2. 式の間は「常に左手」で保持する:仏教において左手は清浄な手とされています。合掌のときだけでなく、移動時や待機時も房を下に向けた状態で左手に持つか、左手首に掛けておきましょう。
  • 3. 受付を済ませたら最初に取り出しておく:焼香の直前に慌ててカバンから出すのはマナー違反です。開式前に手元に準備し、椅子や床へ直接置くような不敬な行為は絶対に避けてください。
【誠実なお見送りのために今すぐできる行動提案】
いざという時に式場で慌てることなく、自信を持って故人様へ真っ直ぐに祈りを捧げるために、以下の3つの行動を実践してください。

  • 1. 自宅の引き出しを確認し、家族全員が自分専用の数珠を持っているかチェックする:使い回しを防ぐため、男性用(大珠)・女性用(小珠)の区別も含めて、一人一人のマイ数珠が手元にあるか事前に把握しておきましょう。
  • 2. 数珠を直置きするリスクを無くすため、専用の「数珠袋」をセットで用意する:外出先での一時的な仮置きの際、仏様に対して失礼にならないよう、保護ケースとなる数珠袋を一緒に鞄へ忍ばせておく習慣が大切です。
  • 3. 自身の宗派を身内で確認し、必要に応じて複数のプラン資料を取り寄せてみる:実家の宗派やお寺との付き合い方をクリアにしておくことで、どのような形式の葬儀や仏具が最適なのかを冷静に判断できるようになります。

葬儀社選びで後悔しないために!複数社の比較が鉄則です

葬儀の準備や数珠の手配を進めるにあたり、葬儀社を1社だけで決めてしまうのは非常に危険です。

理由は、提示された費用やサービス内容の妥当性を客観的に判断できず、後になって「相場より高額だった」「希望する規模のプランがなかった」と後悔するリスクが高まるためです。

納得のいく温かいお別れにするためには、ご自身の対応エリアにある複数の葬儀社の資料をあわせて取り寄せ、プランの内訳や特典を冷静に比較検討することを強く推奨します。

安心しておすすめできる葬儀社をエリア別にご紹介します。

以下の対象エリアにお住まいの方は、万が一の事態に備えて、まずは無料の資料請求からスタートしてみましょう。

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【情報源・参照統計一覧】

  • 葬儀の消費者トラブルを未然に防ぐためのチェックポイント – 国民生活センター(https://www.kokusen.go.jp/
  • 仏具の歴史と正しい取り扱い作法に関する知見 – 全日本宗教用具協同組合(https://www.zenkyokyo.co.jp/