宮坂
宮坂
家族葬は、故人との最後の時間を家族で静かに過ごすための形式ですが、その中で喪主が果たす役割は非常に重要です。特に、喪主の挨拶は参列者に対する感謝や故人への思いを伝える大切な場面となります。

しかし、いざ挨拶を求められると、何を話せばよいのか迷ってしまうことも多いでしょう。

この記事では、喪主の挨拶の基本ポイントからタイミング、具体的な例文、さらには注意すべき点までを詳しく解説します。家族葬に臨む際の参考として、ぜひお役立てください。

この記事では、以下の3つのポイントについて詳しく解説します。

  • 構成・忌み言葉・カンペの是非など、喪主挨拶における基本マナーと注意点
  • 通夜から告別式、精進落としまで、挨拶が必要な全タイミングと時間配分の目安
  • 自身の言葉で感謝を伝えるための、状況別・立場別のそのまま使える具体的な例文集
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喪主の挨拶で押さえておくべき基本ポイント

喪主の挨拶は、故人様に代わって感謝を伝え、参列者へのお礼を述べる「儀礼」としての役割があります。

不慣れな場であっても、以下のポイントを意識することで、論理的かつ誠実な挨拶が可能になります。

1. 挨拶の基本構成(3分以内が目安)

挨拶が長くなりすぎると、参列者の負担や式の進行に影響します。およそ2〜3分(文字数で600〜900文字程度)を目安に、以下の4部構成でまとめるとスムーズです。

  • 導入:参列いただいたことへのお礼。
  • 故人の紹介:生前の様子や人柄が伝わるエピソード(簡潔に)。
  • 結び:故人への生前の厚誼(こうぎ)に対する感謝。
  • 案内:今後の予定や連絡先、会食(通夜振る舞い等)の案内。

2. カンペ(原稿)の使用はマナー違反ではない

「手元を見ながら話すのは失礼では?」と不安に思う方も多いですが、喪主が原稿を見ながら挨拶をすることは全く問題ありません。
極限の悲しみや緊張の中にいる喪主が、言葉に詰まって正確な情報を伝えられなくなることの方が避けるべき事態です。

ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 一言一句を棒読みするのではなく、時折参列者に視線を向ける。
  • 文字を大きく、簡潔に書き、薄暗い式場内でも読みやすくしておく。

3. 注意したい「忌み言葉」と表現

葬儀の場では、不幸が重なることを連想させる「忌み言葉」を避けるのがマナーです。

避けるべき表現(忌み言葉) 理由・言い換え
重ね重ね、度々、いよいよ 「重ね言葉」と呼ばれ、不幸が続くことを連想させるため
迷う、浮かばれない(仏式) 宗派によって「死後の世界」の捉え方が異なるため確認が必要
死亡、急死 「逝去」「他界」「急逝」などの丁寧な表現に言い換える

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喪主が挨拶を行うタイミング一覧

喪主が挨拶を行うタイミング一覧

式次第の中で喪主が挨拶に立つタイミングは複数あります。それぞれの場面における役割を確認しておきましょう。

1. 通夜・通夜振る舞い

  • 通夜終了時:読経・焼香が終わり、僧侶が退場した後に全体へ挨拶。翌日の告別式の案内も併せて行います。
  • 通夜振る舞いの開始・終了:会食の席で、改めて感謝を伝える短い挨拶を行います。

2. 葬儀・告別式(出棺前)

最も重要となる挨拶です。式の終了後、火葬場へ向かう出棺の直前に、参列者全員へ向けて感謝の言葉を述べます。

故人の人柄に触れつつ、生前お世話になったことへの最大のお礼を伝えます。

3. 精進落とし(初七日法要後の会食)

葬儀全体の締めくくりとなる場です。

  • 開始前:献杯(けんぱい)の合図の前に、無事に葬儀を終えられた報告と感謝を伝えます。
  • 終了時:会食開始から1時間〜1時間半後を目安に、退席を促す「お開きの挨拶」を行います。

具体的な挨拶の例文

具体的な挨拶の例文

通夜の際の例文

本日はお忙しい中、故人〇〇の通夜にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。皆様のお力添えのおかげで、無事に通夜を終えることができました。故人も皆様に囲まれ、きっと安らかに眠っていることと思います。なお、明日の葬儀は△△時より〇〇にて執り行う予定です。ささやかではございますが、別室にお食事の席をご用意しております。お時間が許すようでしたら、ぜひ故人の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。

本日はご多忙の中、故人〇〇の通夜にご参列いただき、心よりお礼申し上げます。皆様に見守られながら、故人も安らかな旅立ちができたことと思います。明日の葬儀は△△時より〇〇にて執り行いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。この後、ささやかながらお食事をご用意しておりますので、お時間がございましたら故人を偲びながらご歓談いただければと思います。本日は誠にありがとうございました。

本日はお暑い中、故人〇〇の通夜にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。皆様のお力添えにより、滞りなく通夜を終えることができました。故人もきっと皆様の温かいお心遣いに感謝していることと思います。なお、明日の葬儀は△△時より〇〇にて執り行う予定です。この後、ささやかではございますが、お食事をご用意しております。ご都合がよろしければ、故人を偲びながらご一緒にお過ごしいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。

通夜振る舞いの開始前の例文

本日はご多忙の中、故人の通夜にご参列いただき誠にありがとうございました。皆様のお越しを故人も喜んでいることと存じます。ささやかながら、お食事の席をご用意いたしました。どうぞお時間の許す限り、食事を召し上がりながら故人の思い出話などお聞かせいただけますと幸いです。

本日はお忙しい中、○○の通夜にご参列いただき、心より感謝申し上げます。故人も皆様のお越しを何よりも喜んでいることと思います。ささやかながら、お食事をご用意させていただきました。どうぞ、お時間の許す限りおくつろぎいただきながら、故人の思い出に浸っていただければ幸いです。

本日は、故人の通夜にお越しいただき誠にありがとうございました。皆様のお心遣いに故人も安らかに眠れることと思います。ささやかではございますが、食事の席をご用意いたしました。お時間の許す限り、故人との思い出を語り合いながら、ゆっくりとお過ごしいただければと存じます。

通夜振る舞いの終了時の例文

皆様、本日は誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に通夜を終えることができました。名残惜しいところではございますが、ご遠方からお越しの方もいらっしゃいますので、この辺でお開きとさせていただきます。明日の葬儀・告別式は〇〇時よりこの斎場で執り行いますので、ご都合がつきましたらぜひご参列ください。お足元に気をつけてお帰りくださいませ。

本日はお忙しい中、故人の通夜にご参列いただきまして誠にありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、無事に通夜を終えることができました。まだまだお話を伺いたいところではありますが、夜も更けてまいりましたので、これにてお開きとさせていただきます。明日は〇〇時より葬儀・告別式を行いますので、ご都合が許すようでしたらお見送りいただければ幸いです。どうぞお気をつけてお帰りください。

皆様、本日は故人の通夜にご参列いただき誠にありがとうございました。皆様に支えていただき、無事に通夜を終えることができました。夜も遅くなってまいりましたので、本日はこれにて終了とさせていただきます。明日の告別式は〇〇時よりこの斎場で執り行いますので、お時間が許す方はぜひご参列ください。本日は本当にありがとうございました。どうぞお足元に気をつけてお帰りくださいませ。

葬儀・告別式の例文

本日はご多用の中、父・〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。皆様のおかげで、無事に葬儀・告別式を執り行うことができました。父は昨年より病と闘っておりましたが、皆様の温かいお心遣いに支えられ、最期まで穏やかな日々を過ごすことができました。生前賜りましたご厚情に、家族一同心より感謝申し上げます。今後とも、変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

私は、故人〇〇の次男、△△でございます。本日はお忙しい中、ご参列を賜り誠にありがとうございました。母は生前、皆様とのご縁を何よりも大切にしておりました。そのため、このように多くの方々に見送られながら旅立つことができたことを、きっと喜んでいることと思います。生前のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後とも家族一同、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

本日はご多用中にもかかわらず、故〇〇の葬儀にご参列いただき、心より御礼申し上げます。母は先月より体調を崩しておりましたが、皆様のお見舞いや励ましのお言葉に支えられ、最期まで穏やかな日々を過ごすことができました。おかげさまで本日、無事に葬儀を終えることができ、母も安らかに旅立つことができたと信じております。今後とも、変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございまし

精進落としの開始前の例文

本日はご多用の中、亡き〇〇の葬儀にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に葬儀・告別式を終えることができました。ささやかではございますが、精進落しのお食事を用意させていただきました。故人を偲びながら、ごゆっくりとお過ごしいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。

皆様、本日はお忙しい中、亡き〇〇のためにご参列いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、葬儀・告別式を無事に終えることができました。ささやかながら、精進落しのお膳を用意しておりますので、どうぞお疲れを癒しながら、故人を偲んでお過ごしください。本日はありがとうございました。

本日はお忙しい中、故〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。皆様のご厚情により、無事に葬儀・告別式を執り行うことができました。ささやかではございますが、精進落しのお膳を用意しておりますので、お時間の許す限り、ごゆっくりおくつろぎください。改めて感謝申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

精進落としの終了時の例文

皆さま、本日は長時間にわたり、亡き〇〇のためにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。皆さまからの温かいお言葉や思い出話を伺い、家族一同大変感謝しております。皆さまもお疲れのことと思いますので、これにて終了とさせていただきます。どうぞお気をつけてお帰りください。本日は誠にありがとうございました。

本日はご多用の中、長時間お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。〇〇の思い出を皆さまと分かち合い、改めて故人の偉大さを感じることができました。もっとお話をお伺いしたいところですが、皆さまもお疲れでしょうから、これにてお開きとさせていただきます。どうぞお気をつけてお帰りください。本日は誠にありがとうございました。

皆さま、本日は長時間にわたり、故〇〇のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。皆さまのお話を通じて、故人がいかに多くの方々に愛されていたかを改めて実感いたしました。残念ながら、そろそろお時間となりましたので、これにてお開きとさせていただきます。どうぞお気をつけてお帰りください。本日は誠にありがとうございました。

注意点

家族葬での喪主の挨拶について

家族葬では、親族やごく親しい友人など、限られた人数で故人を偲ぶ場となります。そのため、一般的な葬儀よりも、より個人的な思いを込めて挨拶をすることが求められます。

できるだけ自分の言葉を使う

喪主の挨拶は台本通りに読むのではなく、自分の言葉を織り交ぜて伝えるとより心に響きます。

故人との思い出や、感謝の気持ちを自分の言葉で伝えることで、参列者も故人を偲び、共に悲しみを分かち合うことができます。

また、故人の生前の温かさを伝えることで、参列者に希望を与えることもできます。

言葉遣いに注意する

不適切な言葉や表現は避け、丁寧かつ感謝の気持ちを込めた言葉を選びましょう。

特に、故人を偲ぶ場であることを意識し、軽々しい言葉遣いや、悲しみに寄り添えない言葉は避けましょう。

また、宗教や宗派によっては、避けるべき言葉や表現がありますので、事前に確認しておくと安心です。

家族葬では挨拶を省略可能

家族葬の場合、状況に応じて挨拶を省略することも可能です。無理に行わず、自然な形で進めましょう。家族葬では、親族やごく親しい友人など、限られた人数で故人を偲ぶ場となります。

そのため、一般的な葬儀よりも、より個人的な思いを込めて挨拶をすることが求められます。

しかし、状況によっては、挨拶を省略することも可能です。例えば、参列者が少人数で、故人との関係が深い場合などは、挨拶を省略しても失礼にはあたりません。

家族葬の喪主挨拶に関するよくある質問(FAQ)

大勢の前で話すのが苦手です。挨拶の際にメモ(カンペ)を見ても失礼になりませんか?

全く失礼にはあたりません。慣れない状況や深い悲しみの中で、言葉に詰まってしまうのは自然なことです。無理に暗記しようとして内容が飛んでしまうよりも、メモを用意して一言ずつ丁寧に伝える方が、参列者に対しても誠実な印象を与えます。大切なのは形式ではなく、ご自身の言葉で感謝を伝えることです。

家族葬なら、すべての場面での挨拶を省略しても良いのでしょうか?

ごく親しい家族のみ(数名程度)であれば、形式ばった挨拶を省略し、会話の中で感謝を伝える形でも問題ありません。ただし、親族や親しい友人が参列している場合は、たとえ少人数であっても「区切り」として一言挨拶を添えるのが一般的です。大げさなものでなくとも、「本日はお集まりいただきありがとうございました」という言葉があるだけで、参列者も安心して故人を偲ぶことができます。

挨拶で使ってはいけない「忌み言葉」には、どのようなものがありますか?

主に「重ね言葉」と「直接的な表現」を避けるのがマナーです。

  • 重ね言葉:たびたび、重ね重ね、益々など(不幸が重なることを連想させるため)
  • 直接的な表現:死ぬ、急死など(「逝去」「急逝」と言い換えます)
  • 不吉な言葉:消える、大変なことなど

これらは無意識に使ってしまいがちですが、家族葬であれば過度に恐れる必要はありません。最低限の配慮として覚えておきましょう。

挨拶の時間は、どのくらいを目安に考えればよいでしょうか?

およそ「1分から3分以内」に収めるのが理想的です。短すぎると素っ気ない印象を与え、長すぎると参列者の負担になってしまいます。400文字から600文字程度を目安に原稿を準備しておくと、ゆっくり話してちょうど良い長さになります。

故人と長年疎遠だった場合でも、生前の様子を詳しく話さなければなりませんか?

いいえ、無理に詳しく話す必要はありません。その場合は、故人の人柄(「真面目な人でした」「静かな人でした」など)や、参列してくれたことへの感謝に重点を置いた挨拶にまとめましょう。故人のエピソードが少ない場合でも、参列者が足を運んでくれたことへのお礼を丁寧に伝えるだけで、立派な喪主の挨拶になります。

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まとめ

喪主の挨拶において最も大切なのは、流暢に話すことではなく、「心からの感謝を事実として伝えること」です。

形式的な美しさにとらわれすぎず、故人様との思い出や、支えてくれた皆様への思いを言葉にすることで、参列者も共に悲しみを分かち合うことができます。

不安な場合は、事前に葬儀社へ構成案を確認してもらうことをおすすめします。事実に基づいた準備を整えることで、落ち着いて故人様を見送ることに専念できるはずです。

参考文献・公的機関リンク集

当サイト『葬儀に関する疑問を解決』の記事は、以下の公的機関の情報や法令に基づき作成しています。

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