宮坂
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従来の葬儀は、故人の信仰や所属する宗派に応じて行われることが一般的でしたが、無宗教葬儀は、従来の宗教的な儀式に縛られることなく、故人の生涯や個性を反映した形で執り行われます。

しかしながら、その一般的な流れや規則が明確ではないため、初めて経験する方々にとっては戸惑いもあるかもしれません。

この記事では、無宗教葬儀の基本から始め、お坊さんの必要性、葬式の流れ、さらに家族葬やお別れ会といった特定の形式についても触れていきます。

この記事を通じて、無宗教葬儀に関する理解を深め、心を寄り添わせるお手伝いができれば幸いです。

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無宗教とは

無宗教とは

特定の宗旨・宗派などの特定の宗教を信仰しない思想や立場を表すことを「無宗教」といいます。

日本には仏教系、キリスト教系、神道系、諸教といった宗教が浸透していますが、無宗教的な考え方を持つ人が多いと言われています。

しかし、神社やお寺へ行く人も多くいるため、「無宗教」ではなく「無信仰」と表現されることがあります。

日本は「信仰している宗教はありますか?」という問いに対し、「ありません」や「無宗教です」などと答える人が多い傾向にあります。

統計数理研究所「国民性調査」2013年によると「日本人の7割以上が信仰や信心を持っていないと公言」、NHK放送文化研究所「ISSP国際比較調査」2019年では「信仰している宗教はない」が 62%という結果も出ています。

また、1996年に宗教学者・阿満利麿(あま・としまろ)氏が『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)という本を出し、これは英語や韓国語にも翻訳されるなど当時、非常に大きな反響を呼びました。

阿満氏によると、日本人は無宗教だと言われてはいるものの、それは「創唱宗教」と比較しているからではないかという。

創唱宗教とは、特定の教祖(例えば、キリスト教にはイエス・キリストが、仏教にはゴータマ・ブッダ)がいて明確な教義を持つ宗教を指します。

現状は、多くの日本人は先祖代々のお墓があり、それがいずれかの宗教宗派に属していることがあります。

そのため無宗教と考えている人も、実際は家系的にはどこかの宗教に属していたり、日常生活の中で宗教行事に触れていたりします。

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無宗教葬儀(自由葬)について

無宗教葬儀(自由葬)について

無宗教の葬儀(自由葬)、それは故人との最後の別れを、特定の宗派や宗教の儀式にとらわれることなく、自由なスタイルで行うことを意味します。

無宗教葬儀を準備されているということでしたら、おそらく伝統的な宗教的な儀式には縛られず、故人の人生を尊重しつつ、心に残るセレモニーを望まれていることでしょう。

この自由なスタイルの葬儀では、故人が愛した音楽や映像を通じて、彼らの人生や趣味、思い出を称えることができます。

宗教者を呼ばずとも、黙祷や献花といった形で故人に敬意を表し、親しい人々が集い、思い出を分かち合うことができます。

自由葬は、故人の人生を祝福し、彼らの個性や趣向を尊重するための理想的な選択です。

また、無宗教葬儀(自由葬)はその名の通り、形式に縛られることなく、好みや希望に合わせて葬儀をアレンジできます。

例えば、お別れの会を開催し、参加者が自由に故人の思い出を語り合う場を設けることもできます。このようなアプローチは、故人との絆を深め、心に残る別れを可能にします。

最後に、無宗教葬儀(自由葬)の魅力は、それがただの儀式ではなく、故人との絆を称え、彼らの人生を祝福する場であるという点にあります。

このような葬儀は、悲しみに包まれた場面でも、故人の人生を称え、彼らの思い出を共有することで、希望や喜びを見出すことができるでしょう。

無宗教葬儀(自由葬)は、故人を送る最後の機会を、彼らの人生や趣味、愛したものに囲まれて、心からの感謝と尊敬を込めて行う素晴らしい選択です。

無宗教葬儀の流れ

無宗教葬儀には特定の宗教に則った葬儀とは異なり決まった流れがありませんので当日の流れや演出は個々によって異なります。

以下では一例として、無宗教葬儀の主な流れを紹介します。

  1. 参列者が入場する
  2. 開式の言葉やメッセージを読む
  3. お経を読む代わりに、全員で黙祷を行います
  4. 故人の好きだった曲を流したり、生演奏をしたり献奏を行う
  5. 故人の経歴を紹介しスライドを観て、故人との思い出を振り返ります
  6. 故人にお別れの言葉を伝えます
  7. 遺族の代表者が参列者に向けて感謝の言葉を述べます
  8. 喪主から始まり、家族、親族、参列者と献花を行う
  9. 全員で故人とのお別れを行います
  10. 喪主が閉式の言葉を告げます
  11. 出棺

故人にお別れの言葉を伝える前に、届いた弔電を読み上げることもあります。

出棺し、火葬場へと向かい故人が火葬される前に僧侶に読経をあげてもらいという方がいます。火葬の後に参列者と会食を行う場合もあります。

無宗教葬式(葬儀)でお坊さんは必要?

無宗教葬式(葬儀)でお坊さんは必要?

無宗教の葬儀では式次第が自由なため、僧侶に読経してもらったり戒名をつけてもらったりする必要はありません。

しかし読経をしてはならないという決まりもないため、故人や喪主などの希望があれば読経ができます。

仏教を信仰はしていないが、「お経をあげないと成仏できない」と思う方や「見送ったという実感」を得るための心の収め方として、僧侶に読経を依頼する方もいらっしゃいます。

読経のタイミングは自由で葬儀中や火葬中に読経を依頼するなど、仏式の葬儀のように決まった流れの中で行う決まりはありません。

先祖代々お付き合いをしているお寺(菩提寺)がある方は無宗教の葬儀を選択する前に、無宗教葬儀でも読経をしてもらえるか確認をしましょう。

【重要】菩提寺がある場合の注意点菩提寺があるにもかかわらず、寺院を介さずに無宗教葬を行った場合、以下のトラブルに発展する恐れがあります。

  • 納骨の拒否:代々のお墓への納骨を断られてしまう可能性がある。
  • 戒名の問題:菩提寺のお墓に納骨するには、その寺院から授かった「戒名」が必須となるケースが一般的である。

後々のトラブルを避けるため、事前に必ず菩提寺へ相談し、理解を得ておくことが不可欠です。

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無宗教葬儀を執り行ったその後の供養は

無宗教葬儀を執り行った後は伝統的な宗教葬儀と異なり、四十九日法要や一周忌など、ご供養の形式がありません。

そのため「追悼式」を行うこともできますが、特定の宗教的な儀式に縛られることなく、故人の遺志や遺族の希望に基づいた供養方法を選択することができます。

公営の墓地

公営の墓地

公営墓地とは都道府県や市町村などが管理・運営されている墓地のことで、自治体が運営しているため、永続性については心配する必要はありません。

特に予算をなるべく抑えてお墓を購入したい場合は、公営の墓地を選択するとよいでしょう。

また公営の墓地には指定の宗教・宗派がないので、無宗教葬を行った方でも納骨できるのが特徴です。

ただし、利用対象者はその都道府県、または市町村に居住している人としており、宗教の制限や指定石材店制度がない場合がほとんどですが、自治体によっては、遺骨のない方は申し込みできなかったり、墓石のデザインや大きさを制限するところもあるため確認が必要です。

宗教を問わない墓地

宗教を問わない墓地

宗教を問わないお寺の墓苑や霊園も各地にあります。無宗教葬儀の後、こういった宗派とは無関係な墓地を選んで納骨することで宗教的な制約に囚われることなく故人を供養できます。

菩提寺が宗派を厳格に守るお寺の場合、宗派の作法に則った葬儀をあげていない方の納骨を受け入れてくれない場合が多いためです。

永代供養

永代供養

永代供養とは寺院や霊園などがご遺族に代わって故人の遺骨を管理する供養方法です。

宗旨・宗派に関わらず利用でき、お墓を建てる必要もないので、一般のお墓での供養に比べて費用を抑えることができるのが大きなメリットです。

近年ではお墓の管理を任せられるので、お墓の維持や管理に負担を感じる遺族にとって適した選択肢となっています。

海洋散骨

海洋散骨

海洋散骨とは、故人の遺骨をパウダー状に加工し海に撒く供養方法です。自然に還す埋葬方法を希望する方に適しており、宗教的な制約から自由な形で故人を偲ぶことができます。

お墓に比べて維持費もかからず、宗教やしきたりにとらわれることがありません。

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無宗教葬儀のメリットデメリットは?

無宗教葬儀のメリットデメリットは?

無宗教葬は宗教・宗派のしきたり、儀式や葬儀の習わしにとらわないため、それがトラブルにつながることもあります。

ここでは、無宗教葬について、そのメリットとデメリットをご紹介いたします。

無宗教葬儀のメリット

1.葬儀の内容を自由に決めることができる

無宗教葬儀は、宗教儀式がないため形式や内容において自由度が高く、故人やご遺族の希望に合わせて執り行うことができます。

故人らしさのある葬儀を望まれるなら、「故人が好きだった音楽を演奏したい」「故人との思い出深い映像を流したい」「趣味嗜好を花祭壇などで飾りたい」など、形式や内容において自由度が高く、故人様やご家族のご希望に合わせて行うことができます。

また、他宗派の人であっても何もとらわれることなく、故人とお別れに参列することができます。

2.費用を抑えることができる

宗教儀式を取り入れる葬儀では、一般的に宗教者に対して御礼(お布施)をお渡しすることが多く、葬儀にかかる費用が高額になる場合があります。

無宗教葬儀儀式を取り仕切る宗教者が関わらないため、そのような費用が必要になりません。また戒名料・法名料も必要ありません。

3.参列者の印象に残りやすい

個々のオリジナルな葬儀の内容なので参列者の心に深く刻まれ、後々まで故人を偲んでいただけることができます。

無宗教葬儀のデメリット

1.親戚や関係者から理解を得られない可能性がある

宗教儀式を執り行わないため、従来の宗教に基づいた葬儀が常識的だと考える人から反対やお叱りを受ける可能性があります。

本人や家族が希望していても、親族が受け入れられないケースがあるため、身内には前もって葬儀を無宗教葬儀で行いたいとの意向を伝え、理解してもらう必要があります。

そのためにも、自分の葬儀は無宗教葬儀にしたいと思ったときから、終活として準備を始めておくことをお勧めします。

2.お墓への納骨ができない可能性がある

菩提寺がある(お付き合いのあるお寺)と、菩提寺が管理するお墓や納骨堂に納骨を希望しても葬儀を無宗教で行うことで菩提寺から拒否されてしまいます。

菩提寺のお墓や納骨堂に納骨するのであれば、葬儀は菩提寺に依頼するようにしましょう。なお、公営霊園や宗旨宗派不問の民営霊園であれば、このような心配の必要はありません。

3.自由度が高い分、内容を決めるのが大変になる

無宗教葬儀は、内容を自由に決められるため、打ち合わせの際に具体的な内容を決めておかなければ進行が間延びしてしまい、時間だけが過ぎることとなりかねません。

入念な準備を行わなければ、不満が残る葬儀になる可能性があります。

また準備に手間や時間を要しますので、心に余裕のない状況で準備に追われるかもしれませんのでこのことも考慮しておきましょう。

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無宗教葬儀(自由葬)に関するよくある質問(FAQ)

無宗教葬儀に参列する際、服装はどうすればよいですか?

主催者から「平服でお越しください」と案内がある場合でも、「普段着」ではなく「略礼服(黒や紺のスーツ、ワンピース)」を着用するのがマナーです。特に指定がない場合は、一般的な葬儀と同様に準喪服を着用するのが最も無難です。華美な装飾品や明るい色は避け、故人様への敬意を払った装いを心がけましょう。

お香典の表書きは何と書くのが正解ですか?

特定の宗教がないため、「御霊前」または「お花料(御花料)」と書くのが一般的です。仏教用語である「御仏前」や、神道の「御玉串料」などは避けるのが適切です。不祝儀袋については、蓮の花(仏教用)や十字架(キリスト教用)のプリントがない、無地のものを選ぶと失礼になりません。

「無宗教葬は手抜き」だと親戚に反対されたらどうすればよいですか?

無宗教葬は決して簡略化のための形式ではなく、「故人様らしさを最優先した、オーダーメイドの送り方」であることを誠実に伝えましょう。反対される方の多くは、伝統的な儀式がないことへの不安を感じています。生前の故人様が好んでいた音楽や趣味を反映させた演出案を具体的に提示し、納得を得られるよう丁寧に説明することが重要です。

無宗教葬でも、お焼香の代わりに何か儀式を行いますか?

仏教のお焼香に代わる儀式として、「献花(けんか)」が行われることが一般的です。参列者が一人一輪ずつ、祭壇へ白いカーネーションや百合などの花を手向けます。また、全員で静かに「黙祷(もくとう)」を捧げる時間を作ることで、宗教色がなくても厳かなお別れの場を演出することができます。

無宗教葬を選んだ後、一周忌などの法要はどうすればよいですか?

形式に決まりはありませんが、「追悼の会」や「お食事会」という形で親族が集まるケースが多いです。僧侶を呼ばない場合は読経の必要もありませんが、故人様の命日に合わせて墓参りを行い、その後に会食をして思い出を語り合うことが、無宗教葬における一般的な年忌供養のあり方といえます。

まとめ

今回は無宗教葬儀(自由葬)について、解説しました。無宗教葬儀は、宗教的な儀式やしきたりにとらわれることなく、故人やご遺族の希望に沿った葬儀を執り行うことができます。

無宗教葬儀には「葬儀内容を自由に決めることができる」「葬儀費用を抑えることができる」といったメリットがあります。

反面、無宗教葬儀は「親戚や関係者から理解を得られない可能性がある」「お墓への納骨ができない可能性がある」などのデメリットもあります。

菩提寺のお墓や納骨堂に納骨するのであれば、葬儀は菩提寺に依頼する判断も必要です。葬儀は、故人と残された人たちとの大切な別れの時間でもあります。

無宗教葬儀の選択する際は、さまざまな要素を考慮したうえで決定するようにしましょう。

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