葬儀費用が払えない時の対処法と利用できる制度
本記事では、葬儀費用が払えないときの対処法や、利用できる公的制度、費用を抑える方法について詳しく解説します。
葬儀費用で困らないためのポイントも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
葬儀費用がない場合の対処法
突然の不幸でまとまった葬儀費用が用意できない場合でも、いくつかの選択肢があります。ここでは、無理なく費用を捻出するため、あるいは負担を抑えるための4つの対処法を解説します。
1. 簡略化した葬儀(直葬・家族葬)を執り行う
費用を物理的に抑える最も効果的な方法は、葬儀の規模を縮小することです。
通夜や告別式を行わない「直葬(火葬式)」や、参列者を身内に限定する「家族葬」を選ぶことで、費用を大幅に削減することができます。
また、寺院の手配を省く、あるいは複数の寺院のお布施の目安を事前に比較検討しておくことも、費用を抑える上で重要です。
参列者からいただく香典は、葬儀費用の助けになります。しかし、「香典をもらえば費用負担がなくなる」と考えるのは危険です。一般的に、いただいた香典に対しては「半額程度(半返し)」の香典返しを用意するのがマナーです。香典返しの品物代や、当日のおもてなし(飲食費)などを差し引くと、手元に残る金額はほとんどない、あるいは最終的に持ち出し(赤字)になるケースが多いのが実情です。なお、家族葬の場合は「香典を辞退する」ケースが多く、その場合は葬儀費用の全額を遺族が自己負担することになります。香典はあくまで「少しの足しになる」程度に考えておきましょう。
2. クレジットカードの分割払いを利用する
手元に現金がない場合、クレジットカード決済に対応している葬儀社であれば、分割払いを利用することが可能です。一度に大きな出費を負担せず、毎月の支払いに分散させることができます。
ただし、クレジットカードの分割払い(リボ払い含む)には金利や手数料が発生するため注意が必要です。金利はカード会社により異なりますが、年利10%〜15%前後かかるのが一般的です。利用する際は、その後の返済計画をしっかりと立てておきましょう。
3. 葬儀ローンを活用する
クレジットカードの限度額が足りない、あるいはカードを持っていない場合は「葬儀ローン」を利用する方法もあります。葬儀社が提携している信販会社のローンを利用して分割払いを行う仕組みです。
葬儀ローンはクレジットカードの分割払いよりも金利が低く設定されていることが多いですが、審査が必要であり、返済期間を長く設定しすぎると総返済額が高額になってしまいます。ご自身の収入と支出のバランスを把握し、無理のない返済計画を組むことが必須です。
4. 市民葬や区民葬を利用する
自治体が住民向けに提供している「市民葬(区民葬・町民葬)」を利用することで、一般的な葬儀よりも費用を安く抑えることができます。
これは、自治体が提携している葬儀社を利用し、祭壇や霊柩車、火葬料金などの基本料金を自治体の一部補助や協定価格で提供する制度です。
地域によって制度の有無や名称、提供されるサービスの内容が大きく異なるため、利用を検討する場合は早めにお住まいの自治体(役所の戸籍課など)へ問い合わせてみましょう。
市民葬・区民葬の例(東京都調布市)
料金表 2026年5月現在
| 区分 | A券 | B券 |
|---|---|---|
| 葬祭料 | 232,540円 | 124,080円 |
| 祭壇 | 金らん5段 | 金らん3段 |
| 霊柩車(普通車20キロメートルまで) | 23,840円 | 23,840円 |
| 火葬料(遺骨容器含む) | 84,650円 | 84,650円 |
| 合計 | 341,030円 | 232,570円 |
- 葬祭料に含まれるもの
金らん祭壇、飾り付け一式、木棺、白木位牌、会葬用印刷物一式、焼香用具、祭壇用後幕一式(祭壇の使用日数は2日間とし、以後は実費となります) - 別途料金となるもの
寝台車、ドライアイス、遺影写真、会葬礼状、ハイヤー、マイクロバス、火葬場休憩室、飲食代、テント、看板提灯類一式、枕飾り、後飾り、式場使用料、寺院等のお布施、返礼品、通夜、精進料理、生花等
(注)上記のものは別途料金となるため、取扱業者に相談が必要です。
生命保険と預金の利用
故人が生命保険に加入している場合、死亡保険金を受け取れます。この保険金は比較的スムーズに支払われ、相続財産には含まれないため、葬儀費用として利用できます。請求には、請求書、住民票、戸籍謄本などの書類が必要です。
故人の預貯金を利用することも可能です。ただし、遺産分割協議が終わらないと引き出しが制限される場合があります。
葬儀保険の活用
葬儀費用に備えるための死亡保障です。短期間で積み立てが可能で、医師の診察が不要な商品が多いです。持病があっても加入しやすいのが特徴です。80歳以上の高齢でも加入もできます。
掛け捨て型のため保険料は低めに抑えられますが、解約時に返戻金がないため貯蓄性はありません。また、この保険は1年ごとに更新され、年齢に応じて保険料が設定されるため、更新時には保険料が上がる可能性があります。
いざという時のため、あらかじめ加入しておくことお勧めします。
国民年金の死亡一時金
国民年金に加入していた方が亡くなった場合、条件を満たしていれば遺族に「死亡一時金」が支給されます。
利用の条件や支給額は以下の通りです。
- 支給対象の条件:亡くなった日の前日までに、国民年金(第1号被保険者)の保険料を36ヶ月以上納付していること
- 支給される金額:12万円~32万円(保険料の納付月数に応じて変動します)
- 申請の期限:亡くなった日の翌日から2年以内
支給条件に当てはまる場合は、期限を過ぎないよう早めに管轄の年金事務所や役所の窓口で手続きを行いましょう。
揉めずに葬儀費用を払うためのポイント
事前に家族内で話し合う
葬儀費用は、事前に家族内で話し合っておくことが重要です。特に、故人が生前に葬儀に関する希望を伝えていない場合は、家族間で意見が食い違う可能性があります。事前に話し合っておくことで、葬儀費用に関するトラブルを回避することができます。
あらかじめ支払う人を決めておく
葬儀費用を誰が支払うのか、事前に決めておくことも重要です。故人が生前に遺言書を残している場合は、遺言書に従って支払う人を決めます。遺言書がない場合は、家族間で話し合って決める必要があります。
葬儀費用を誰が支払うのか事前に決めておくことで、葬儀後にトラブルになる可能性を減らすことができます。
葬儀会社とコミュニケーションを取る
葬儀会社とコミュニケーションを密にすることで、葬儀費用に関する疑問や不安を解消することができます。葬儀会社は、葬儀に関する様々な知識や経験を持っていますので、葬儀費用に関する相談を積極的に行いましょう。
葬儀会社に相談することで、葬儀費用を抑える方法や、公的制度の利用方法などを教えてもらうことができます。
葬儀費用の疑問と解決策
最も費用がかからない葬儀形式は?
最も費用がかからない葬儀形式は、直葬です。直葬は、通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う葬儀形式です。葬儀は義務ではありませんので、火葬のみでお別れを済ませることも可能です。
直葬は、費用を抑えることができる一方で、故人とのお別れをする時間が短くなってしまうというデメリットがあります。
直葬を行う場合は、故人の意思を尊重し、家族や親族とよく話し合って決めることが重要です。
直葬の費用がない場合の対策
直葬の費用がない場合は、家族や親族に相談して、費用を分担してもらう方法があります。また、自治体によっては、葬儀費用の一部を助成する制度がある場合もあります。
葬儀費用が払えない場合は、葬儀会社や自治体、社会福祉協議会などに相談してみましょう。
まとめ
葬儀費用が払えないときの対処法や利用できる制度を知ることで、いざというときの不安を軽減し、適切な対応ができるようになります。
故人の預貯金で賄えない場合や、急な支出で準備ができないときは、葬儀会社や自治体、社会福祉協議会などに相談してみましょう。
葬儀会社は、葬儀費用に関する様々な情報を提供してくれます。自治体や社会福祉協議会は、葬儀費用に関する助成制度や相談窓口を紹介してくれます。
